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2014年07月31日

事業承継と税金について説明してください

事業承継と税金について説明してください

生前に出資持分を無償で移転するには、移転時における出資持分の評価を相続税評価額により行う必要があります。医療法人は配当ができないため法人内部に利益が蓄積し、設立当初に出資した金額よりもかなり高い評価となります。したがって、一度に出資持分を贈与することになるとかなりの税金が発生することが考えられるので、移転する際にはあらかじめ評価を下げる対策をしましょう。また、売買で子に譲渡するということも考えられますが、売買価額は相続税評価額以上でなければ課税上問題が生じるので、贈与にせよ、売買にせよ出資持分の相続税評価額をよく理解しておく必要があります。なお、評価額を引き下げる方法としては役員の退職金等、多額の経費を支払うことにより財産の減少を図る方法があります。
相続により移転する場合は、出資持分の評価は相続税評価額で評価することになります。相続税評価額は相続税法における「取引相場のない株式」に準じて評価しますが、評価方法には「原則的評価方法」と「特例的評価方法」があります。「原則的評価方法」は「類似業種批准価額方式」・「純資産価額方式」・両者を組み合わせる「折衷方式」の3つがあり、会社規模に応じて評価することになります。また医療法人では配当ができないため、配当を基準にして評価額を算定する「特例的評価方法」は適用されません。
贈与税の基礎控除は年間110万円と定められているため、毎年110万円までなら課税されずに資産を贈与していくことが可能です。それによって相続財産は毎年確実に減少し、いずれ課される相続税も減らすことができます。ただし相続発生から3年間遡り、その間に贈与された資産は相続財産に加算されることになっており、贈与にあたって納付していた税金がある場合は贈与税額控除という形で相続税額から差し引かれます。
平成15年より、20歲以上の子が65歳以上の親から贈与を受けた際に、所定の届出書を出すことで贈与税の課税価格から最大2,500万円を控除できる制度が利用可能です(相続時精算課税)。この制度は通常の生前贈与とは違い、贈与した者が死亡した場合、死亡した日から3年を超える分についても過去に贈与した財産を相続財産に加算し、すでに納付した贈与税額を相続税額から差し引くことになります(精算制度)。納付済みの贈与税額が相続税額よりも多い場合には還付を受けることができます。この制度を利用すると、相続財産に加算する贈与財産を相続時の評価額ではなく贈与を受けた時の評価額で計算するため、相続時に贈与時よりも評価額が上昇していた場合は節税効果が得られます。ただし、評価額が下落していた場合には逆効果となるので注意しましょう。


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