彩星学舎の特徴
■生徒とボランティアがともに学びあう場■

スタッフは、エネルギーに満ちた行動力に富む若い人たちが中心です。そこに多くの市民がボランティアでサポートしています。この「ボランティア・アシスタント」の姿が毎日見られることが、特色の1つです。
学生や主婦・主夫、勤労者などさまざまな立場の方が、時間を作って参加しています。生徒たちの毎日の学習やさまざまなイベントに積極的に関わり、サポートします。が、なによりも大きな意義は、生徒たちにとって、無意識のうちに目が社会に向かい、視野がひろがり、また人とのつながり・豊かな関係が生まれるということを実感することです。
今では市の社会福祉協議会など外部からの信頼も高まり、そこから紹介されて見える方が増えています。そして、参加される人たちがほとんど異口同音に言うことは、生徒たちの表情の明るさです。元気で活動的であることに驚くと言います。生徒たちと接し、いっしょに何かを行うことによって、実は自分が学んでいるようだと言います。まさに「学びのコミュニティー」の意味が端的に表れていると言えるようです。
■直接体験して自信をつける場■

生徒たちにはこの彩星学舎で自分自身の可能性を発見し、少しでも自信をつけてほしいと願っています。そのためにはできるだけ直接的な体験・活動の機会を設け、身体をとおして学ぶようにしています。この体験的な学習を重視するということが2つ目の特色として挙げられます。そこで年間をとおして、農作、調理、大工、レクリェーション・スポーツ、演劇が、「国語表現」「生命と科学」「社会と文化」と並んで講座として設けられています。
畑で幾種類もの野菜を育て、それを材料にした昼食を毎日作り、みんなで会食をします。育てること・作ること・味わうこと、じつにたくさんの発見と納得の学びが展開されます。また、身体を動かすことで自分の身体に気づき、ものを創る原点だということを知ります。
■表現とコミュニケーションをたいせつにする場■

演劇はコミュニティーに最適の活動です。だれでも自分に適した役割をもって参加しながら、みんなで一つのことを創る喜びを味わうことができます。演劇はまた、表現することや人間関係についての感覚・能力を育てるすぐれた活動です。内在する表現欲求を解き放ち、だれかに認められ、自分もまた他者の表現(存在)を受け容れる。この「表現とコミュニケーション」を重視していることが特色の3つ目です。
■地域に開かれた学びの場■

地域に開かれた学びの場をというねらいのもと、在籍する生徒たちの毎日の学習とは別に、計画的に公開講座を開いていることが4つ目の特色です。生活の範囲が狭くなりがちな躓きのある中学生や高校生たちを対象にした公開講座と、小学生向きとして行う「キッズ☆シリウス」は、毎月1回、土曜日の午後に開いています。これまでに、演劇・料理・言葉遊び・仮面づくり・火おこしなどを行ってきました。ボランティアの人も一緒に講座の準備から運営、片付けを通して「コミュニケーション」の座学と実践を学んでいます。
最後に・・・
彩星学舎は、今日の社会に必要な「新しい学びのコミュニティー」です。さまざまなニーズをもった少年少女・青年が生徒として入学しています。ハンディのある子どももいます。競争と序列に無縁の場で、創造する楽しさや豊かな人間関係を充分に体験してほしいと願っています。