高機能って…?
高機能って…?
自閉症には、強いこだわりや興味や関心の狭さ、対人関係が苦手といった、特徴的な症状があります。
知的な遅れがなく、学校でも優秀な成績を取るような子でも、こうした自閉症の症状を強く持っていることがあり、高機能自閉症とか、アスペルガー症候群という診断をされることがあります。
非常に偏った能力を持った子ども達なので、なかなか周りの人から理解してもらえません。
漢和辞典を丸暗記しているような漢字博士くんが、「急いで出かける準備をしなさい」といわれると何をしていいかわからず泣き出してしまう。そんな子たちなのです。
こうした子どもたちの中には、障害児とはみなされず普通学級に在籍して、中学・高校、時には大学へも進学し、これといった支援を受けることもなく社会に出ていく人も少なくありません。
私たちの周りにも、実は意外に多くの高機能自閉症者がいるといわれています。
社会自立できた高機能自閉症者を、あえて障害者と呼ぶつもりはありません。
しかし高機能自閉症の人たちは、普通の人たちと異なった感覚、異なった思考を持っているために、日々の生活で目に見えない多くの苦労を強いられているのは事実です。
風変わりな言動をからかわれいじめられて不登校になったり、非行や犯罪に巻き込まれるケースも少なくありません。うまく社会適応できず、引きこもりや精神障害を起こしてしまうこともあります。
高機能自閉症を正しく理解し、幼い時期から適切な支援と介入をすることで、このような不幸な挫折に陥ることなく彼らの特異な能力を社会に活かすことができると、私たちは考えています。