30年続くサッカー少年団のOB会長をしている。
昨年30周年の記念イベントを行ったばかりだ。30年も続くとOB・OGも数百人を数える。その父兄や理事、関係者を含めると一千人に達するだろう。これらが全て同じ地域のネットワークとなっている。最近(良くも悪くも)これはすごいことだと思う。例えば私が高校性のとき、授業をサボって喫茶店にいたりすると「鏡渕さんとこの敬ちゃんは駅前の喫茶店でタバコ吸ってた」なんてありがたくない報告がかけめぐる。父が亡くなったときはみんなで大挙して手伝いに来てくれた。そして自分の子どもが小学生になったらちょっと越境だけど入部させ、自分はコーチでもしたいと思う。程度の差こそあれ一千人が似たような関わりを持っている。まるで昔の村社会のセーフティネットのようだ。
今の自分の仕事の中で一番興味を持っているのはこのことだ。
戦後の集団就職で“村”のネットワークが薄れ、企業城下町のような“職”を基盤にした地域ネットワークができた。そこが世代交代し“職”とも無関係な街にあらわれたのが我らのサッカー少年団ネットワークであり、NPOを初めとする市民活動のコミュニティネットワークだ。市民活動は高齢者福祉や環境問題などの具体的な社会問題の克服を目指しながらも内部では着実にこのコミュニティネットワークを形成し続けている。
マーケティングのコミュニケーションの中で最も強力である“口コミ”の醸成を狙うときには、まずその“場”を想定する。そこは「学校」なのか「職場」なのか「サークル」なのか、あるいは「家族」なのか?
シニアマーケティングにおいてはこのコミュニティネットワークが重要なものの一つになるというのが私たちの仮説である。
- 鏡渕 敬 さんの日記
- (その他)-(その他)
- at 18時31分
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