先日、オークヴレッジ代表の稲本正さんとお目にかかり懇談しました。稲本氏は、飛騨高山に1970年代の初めからオークヴィレッジを開き、木工製品や木製の住宅などの製造・販売をおこなっています。当時から、自然との共生や「木」によせる思いで世の中の注目を集めました。彼の著書『森と生きる』(角川書店)と話の中で感じたことを記します。
人間は1日の呼吸で約1kgのCO2を吐き出しています。年間365kgです。これ以上にその他の電気を使いテレビを見、食事や交通機関を使いますが、その総量は9.4トンで、ちなみにアメリカ人1人当たりは19.8トンということです。これに対して一本の木がCO2を吸収する量で換算すると一人当たりの呼吸に関しては17本、日本人の生活を確保するためには376本の木が必要だということです。
現在の中高年者が生きている間にはなんとか地球はもつでしょう。しかし、生まれたばかりの子どもやその又子どもが生きる時代に地球はどのようになっているのでしょうか。最近の気候の温暖化を初めとした異変は、この地球の未来についての警告を与えています。地球の砂漠化も進んでいます。
私たちは、産業優先の社会をつくり、それなりに生活水準を向上させてきましたが、他方において自然環境の維持についてあまりにも無頓着だったのではないでしょうか。
稲本さんは、どんぐりを植えることや植林をしていますが、一般の人に最も簡単にできる自然環境を守る活動は「輸入品」を食べない、使わないということだ、ということでした。輸入の移送についてのエネルギー消費と国内の資産の循環的な活用を放棄する(国内産の材木を使わないことが森林を破壊する)ことになるからです。わが国は、自国での食料生産率が40%という低水準であり、海外に何かおこると餓死者が続出することが想定されます。このことがもっとも国家が取り組まなければならない「安全保障」のはずです。
ニュースでは吉野家の牛丼の再開がにぎやかしく喧伝させていますが、あなたはアメリカ牛の牛丼を食べますか?
- 田中尚輝 さんの日記
- (その他)-(その他)
- at 20時04分
|