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2008年04月25日

〜ブレーメンの挑戦〜  =新福祉論が目指すまちづくり=

NPO法人地域創造ネットワーク・ジャパン
常務理事  池田 徹(社会福祉法人生活クラブ 理事長)

「ブレーメンの挑戦〜新福祉論が目指すまちづくり〜」と題した本が株式会社ぎょうせいから発行されました。
グリム童話ブレーメンの音楽隊では、飼い主から用無しとされたロバ、犬、猫、おんどりがそれぞれの個性を生かし、助け合って生きていきます。
千葉県では、障害者など様々な生きにくさを感じている人たちが、ともに地域社会で自分らしく暮らすことができるようにしたいと、6年前から県民主
導の地域福祉改革を進めてきました。名づけて「プロジェクトブレーメン」。
その改革の一つの到達点が、一昨年の10月に全国で初めて誕生した障害者差別を禁止する条例「障害がある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」です。素敵な名前の条例だと思いませんか。タイトルにこの条例の精神が謳いこまれています。差別はお互いを知らないことから生じる。だから、差別を感じたら、それを糾弾するのではなく、話し合いをしながら理解を深めていこう。そうでなければ、表面的な差別は減少しても、内なる差別はいつまでも続いてしまう。
そういう考え方に基づいてお互いの理解を深めるための地域相談員、広域専門員を配置して差別事例に対応しています。
この条例原案は、公募に名乗りを上げた無名の県民が夜な夜な無報酬で県庁に集まり、幾度となく会議を重ねて、丹念に作成されたものです。
そして、この6年は、福祉関連のあらゆる計画がこの手法で時間をかけてつくられてきたのです。
すっかり夜の帳(とばり)が下りた頃、県庁の狭い通用口を帰路につく職員の間をかき分けて計画づくりの委員が入っていきます。省エネでエアコンが止まった夜の県庁は、夏は暑く冬は寒い。白紙の段階から計画案作りが始まりますから、高齢者計画、障害者計画等の法定計画案が形あるものになるまでには、1年以上をかけて20回程度の会議が重ねられます。ある意味で大変非効率です。県庁職員の手間は従来の手法の5倍、10倍になります。しかし、当事者、現場の人たちの実感に基づく施策は、県庁職員だけでは絶対に作れないリアリティがあり、「20年は遅れている」(就任した当時の堂本暁子千葉県知事)といわれた千葉県の福祉施策はこの6年間に奇跡的に前進しました。
「ブレーメンの挑戦」は、「プロジェクトブレーメン」にかかわった県民と県庁職員による書です。県議会の3分の2を自民党が占め、自分が住む地域に関心が薄い「千葉都民」が多いといわれる千葉県で、なぜ、こうした県民主体の奇跡的な活動が展開できているのか。興味を持っていただける方は、是非、ご一読ください。


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