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2008年05月08日

読売新聞 2008年5月1日(木)夕刊に掲載   『浅野史郎の夢・ふれあい』

「街にあふれる音楽のチカラ」

 毎年6月の第1日曜日、仙台の街は音楽で一杯になる。合言葉は、「みんなちがって みんないい」。音楽のチカラで心のバリアフリーを目指す「とっておきの音楽祭」の開催日である。
 2001年、第1回全国障害者スポーツ大会の宮城県での開催を記念して初めて開かれ、参加バンド数133、観客数4万5000人だった。それが、第7回となった昨年は、223バンド、観客数17万人に増え、ステージも23か所になった。
 音楽祭の常連で人気が高い演奏家に、リコーダーの荒川知子さん(24)と、日本の伝統楽器である笙のYUU(高橋由宇)君(23)がいる。
 荒川さんは、養護学校を卒業後、知的障害者の通所授産施設「すてぃじ仙台」で働きながら演奏活動を続けている。プロの演奏家として活動するYUU君は、雅楽にとどまらず、童謡、ジャズ、クラシック、民謡など300曲以上をこなす。
 音楽祭をドキュメンタリー映画にした「オハイエ!」(菊地昭典監督)では、2人の演奏場面が何度か出てくるほか、聴覚障害の人の歌と踊り、右手首より先がないピアニストの演奏も紹介される。驚き、その後に圧倒的な感動がやってくる。
 lulu君(22)は、脳性まひのシンガー・ソングライターである。音楽祭に出たくて、自由に動かない指で必死にギターの練習をした。立ち 上がることも困難だったのが、音楽のチカラで立てるようになり、音楽祭では立って歌った。翌年は踊りながら歌い、映画のクライマックスでは、なんと、演奏 の最後にジャンプした。
 今年は6月1日、定禅寺通りを中心に開催される。フィナーレは、夕方5時から市民広場で。観客とステージが一体となって、この音楽祭から生まれた「オハイエ!」を歌って踊る。達成感にひたるひとときである。
 映画「オハイエ!」も、今年は各地で上映会が開催される。音楽祭に来られない方は、映画で疑似体験してはどうだろうか。(慶応大学教授)


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