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2008年05月23日

〜救急車での搬送は命がけなのか〜

NPO法人地域創造ネットワーク・ジャパン
常務理事   宇都木法男
(NPO法人NPO事業サポートセンター 専務理事)

3月11日の新聞紙上に消防庁が調査した、救急車で搬送される患者が受け入れてもらえない事例が発表された。それによると41万人のうち、搬送を10回以上断られた事例は1074件あり、このうち東京都が6割近い614件と突出していたことがわかったという。
 救急車で搬送される人達が、医療機関の受け入れ拒否にあい死亡した例がたびたび報道され社会問題化しているが、大都市東京でもこれほど多くの事例があるとは想像もできなかった。東京都ほどさまざまな医療機関が数多くある都市はないものと思っていたが、その東京でさえこの実態だとすると、地方都市で受け入れ拒否が起こるのは稀なことではないのかなと思えてしまう。
 この問題が示す国民生活と医療のあり方について、どこが責任を持って解決するのか。国の医療政策に関わることなのか、それとも都道府県や市町村などの自治体の責任なのか、あるいは、国、都道府県、自治体の一体的仕事なのか、国民にはよくわからないのである。市民の生命に関わる重要な医療に関係するこの問題こそ、政治が解決すべき問題だと強く思う。
 高齢者が多くなり、医療費がますます多くなるので、入院ベット数を23万ベットを減らすことが既に決まっているが、財政のつじつま合わせのための政策がその通り実施されれば、なおさら搬送先の医療機関は受け入れを断ることになるのではないか。国や自治体が一体となった、もっと抜本的な検討策を早急に考えるべきではないか。また、政治にもこうした国民の生命や安全、安心に関わることは最優先して取り組むべきこととして要請したい。
 東京都などは、倒産寸前の新東京銀行の再建やオリンピックの誘致よりも、市民生活に直結するこうした問題を優先課題とするべきではないか。世界に名だたる大都市東京が救急搬送を断る医療機関が最も多いとは、行政としては恥ずべきことではないのかと思う。石原知事を選んだ都民も反省しなければならないことであると思う。今度はこうした市民生活に重大なことを優先して取り組む知事を是非、選びたいものである。


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