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2008年08月05日

“まだ動かない”団塊世代

NPO法人地域創造ネットワーク・ジャパン理事
 大久保 朝江 
(特定非営利活動法人 杜の伝言板ゆるる 代表理事)

みやぎのボランティア・市民活動情報誌「月刊杜の伝言板ゆるる」は、創刊から11年、この8月号でVol.135になります。現在、8,000部を発行し、県内約400ヶ所で無料配布されています。

市民が多様な分野の市民活動に関心を持ち、参加してくれることを期待して、NPOからのイベントや講座、ボランティア募集などの情報発信を続けています。

しかし、情報誌はあくまでもきっかけで、情報誌を読んで市民が参加という行動に繋がっていかなければ意味がありません。そこで3年前、実際にボランティア活動へ踏み出すためにと「ミドル&シニアのためのキャリア・ボランティア養成講座」を開きました。

これから定年を迎え、地域に帰ってくるだろうと期待されていた団塊世代に狙いを定めた、全4回の連続講座です。2年間に4期開講しました。特に力を入れたのが、コミュニケーション力を高める講座です。

会社では当たり前と思っていた上下や男女の関係が、ボランティア仲間では成立しないことをしっかり意識してもらうために、じっくり相手の話を聞くことや自分の話を聞いてもらうワークショップをしました。

「ボランティア同士なのに、えらそうに威張って、指示ばかりしている」、「同じ活動をしているはずなのに年上の女性に向かってお茶を要求したり、口ばっかりで
腰が重い」など、あまり評判がいいとは言えない現状があるからです。

そしてあまりにも「何をしたらいいか分からない」という声が多いことから、自分の小さい時からの“キャリアを振り返るワークショップ”を取り入れました。
すると忘れていたことがどんどん思い出され、好きだったこと、得意だったこと、自信があることなどに気づくのです。

ここからが私たちの出番で、それを生かすための情報提供と相談対応に乗り出すのです。
しかし、講座を終え、実際にボランティア活動に参加したのはたった一人だけ。まさに期待はずれでした。「もっと学んでから」や「いろいろ情報を集めてから」と言っては、また違う講座に参加していく人が後を絶ちません。

「いつまで学ぶのでしょうか?もうキャリアは十分。あとは地域に還元するだけ。活動に一歩踏み出すだけでしょ」と、心でつぶやいています。

 狙った団塊世代はまだ“現役”。企業や団体で働いている人が圧倒的に多いのが現状です。かといって市民活動・NPOに全く関心がないというわけでもなく、これまでの意向調査からは、第2の職場を終えた後は、ボランティアをして社会に貢献したい」と考えている人が4割に増えるという結果が出ています。

 それに期待して気長に情報提供を続けていけば、きっと何年後かには私たちの期待に応えてくれるでしょう。ちなみに私も団塊世代です。


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