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2008年10月04日

『浅野史郎の夢ふれあい』讀賣新聞夕刊 2008.8.7掲載

浅野史郎の《夢ふれあい》 第9回

映画のプロ目指す9人

 知的発達障害を持つ人によるスポーツ活動として、280万人の知的発達障害のあるアスリート、70万人のボランティアが180カ国以上から参加するスペシャルオリンピックス。創設40周年を記念した上映会が7月20日、高円宮妃殿下ご臨席のもと、東京都内で開かれた。スペシャルオリンピックス日本(有森裕子理事長)の理事の一人として、私も出席した。
 上映された「きずな+〜上海に瞳をこらして〜」は、昨年、上海で開催された夏季世界大会の記録である。撮影、録音、インタビューにあたった9人は、全員が知的発達障害を持っている。長野で開かれた冬季世界大会の記録映画「Believe」を撮影したことから、「ビリーブ・クルー」と呼ばれている。
 実績を積んだメンバーであるが、海外での撮影は初めてだった。だが、映画からは、中国各界の要人や芸能人も出席して盛り上がった壮大で感動的な開会式の様子が、重いカメラを何時間も持ち続けて撮影した映像を通じて伝わってきた。競技を心から楽しむアスリートの姿も、同じ障害を持つクルーの共感あるカメラワークにより、生き生きと描き出されていた。
 俳優のジャッキー・チェンらが出席した記者会見では、めちゃめちゃ緊張したクルーから言葉がなかなか出てこない。日本代表へのインタビューはたどたどしいが、このクルーだからこその貴重な映像となった。
 映画には、スペシャルオリンピックスの応援歌「きずな」(湯川れい子作詞)を歌う松浦亜弥さんが、映像を見ながら、クルーに映像の苦労話などを聞く場面もあった。その中で、パン屋、喫茶店、メール便仕分け業務などで働く彼らは、亜弥さんに将来の夢を聞かれると、「撮影の仕事に就きたい」と答えていた。
 スポーツで他者に勝つのではなく、昨日の自分に勝つのが、スペシャルオリンピックスの理念である。アスリートでもある彼らは、この理念を日常生活でも実践することだろう。


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