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2009年01月26日

『浅野史郎の夢ふれあい』(第18回)読売新聞夕刊2008.12.18掲載

親の会 さらなる発展期待

 「新宮・東牟婁手をつなぐ育成会」40周年の記念講演を頼まれて、和歌山県新宮市に行ってきた。講演の前後に、メンバーの方々からうかがった様々な話に、複雑な思いを抱いた。
 知的障害を持つ子どものための親の会として、新宮の地で1969年に産声を上げた同会は、これまで養護学校を誘致するなど、大きな成果を上げてきた。その一つに、新宮市内にできた養護学校がある。
 この養護学校は、通学地域が広く、子どもによってはバスで2時間もかかる場合がある。このため、自宅の近所には同級生がおらず、子どもにさみしい思いをさせてしまったと述懐する母親がいたのである。  
 知的障害があっても、近くの普通学級で一緒に学ぶのがいいというのが、私の考えである。 養護学校での特別扱いは、卒業後も続くわけではないからで、もちろん、自治体が補助教員を配置できるのならという条件付きである。普通学級なら近所に同級生がいるから、さみしい思いをすることもないだろう。 
 新宮でグループホームを運営する父親の話も複雑な思いで聞いた。私が厚生省の障害福祉課長だった89年ごろに作った「グループホーム運営ハンドブック」に感激してホームを始めたが、入居者の障害程度が重くなり、今ではいつ、どうやって閉鎖するか、悩んでいるという。  
 目の前の問題を解決するために、大変な努力をして、一つひとつ成果を挙げてきた親の会である。私の期待として語ったのは、今後の親の会の活動を、非専門家を巻きこんだ、世の中を変えていくものに発展させて欲しいということだった。
 過剰な期待とは思わない。人口3万人弱の新宮市ぐらいの規模の地域は、大都市とは違って、そういう活動をしやすいところという自負を、親の会の事務局の野澤宮子さんの口から聞いて、私の期待もふくらんだ。


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