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2009年01月26日

『浅野史郎の夢ふれあい』(第19回)読売新聞夕刊2009.1.8

試される障害者雇用

 年の初めである。昨年末から続く経済危機、景気の後退、それらを反映した雇用状況は、ますます厳しさを増していくだろう。
 そんな中で、障害者の就労が気がかりである。「一般の労働者の雇用すらままならない中で、障害者の雇用など構っていられない」という企業が現れはしないか。「最後に雇われ、最初に首になる」弱い立場の障害者という図式があたりまえと見られていないか。
 障害者自立支援法は、使い勝手が悪い、単価が安い、原則1割の応益負担がおかしいなど、厳しい評価がなされている部分が多い。しかし、障害者の自立のために、就労を支援するということが、この法律の重要な目的になっていることを忘れてはならない。ゆっくりではあるが、着実に障害者の就労が進んできていることも事実である。その精神を大切にしたい。
 ユニクロは、8・06%もの高い障害者雇用率を達成している。ヤマト福祉財団が直営3店、チェーン店23店で運営しているスワン・ベーカリーでは、300人近くの障害者が仕事をしている。この欄でも紹介したが、ヤマト運輸のメール便の配達を約1000人の障害者が担っている。
 神戸の社会福祉法人「プロップ・ステーション」では、「チャレンジド就労支援ICTセミナー」の東京での展開を昨年10月に始めたし、「障害者があたりまえに働けるニッポンへ」を掲げて厚生労働省が支援する「ATARIMAEプロジェクト」も昨年始動した。
 福祉企業家が新しく事業を立ち上げて、自前で障害者を雇うという例も、増えつつある。そういった動きがある中で、不況によって障害者が職場から追われることがあってはならない。
 懸命に働く障害者の姿は、不況であえぐ企業や、一緒に働く社員に勇気を与えてくれるはずである。雇用にとっての冬の時期にこそ試される障害者雇用、まずは新しい年の課題である。


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