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2009年07月21日

変化の兆し: NPOと民主党

 いま、変化の兆しがしっかりとした足音で聞こえてきている。私がそれを実感したのは、7月14日の夕刻「NPOと民主党との政策討論会」のことだった。
 この日の夕刻、民主党本部の5階ホールは立錐の余地もないほど超満員になった。椅子席が200席しかないところにNPOなどの市民側から330人、民主党関係者をいれると350人を超える人々が集まった。この会合は民主党側からNPO事業サポートセンターなど4団体に討論会の申し入れがあったのが7月3日のこと、それからわずか10日程度で多くのNPO関係者が会場へ駆けつけたのである。このことを通じて、私が「変化の兆し」とうけとめているのは、以下の点である。
1.NPOはこれまで、政治との関係においては消極的であったが、この姿勢が変化する兆しがでてきた。
 これまでNPOは政治との関係については積極的ではなかった。この理由は、NPO法による規制だけではなく、政権与党側との交渉ではほとんど対等な相手にされないこと、野党との連携を図れば与党・政府・自治体から警戒されること、また、ロビー活動を展開するほど力量が高まっていなかった等の理由が複合的に重なり合っていたからであろう。
 ところが、変化を呼び起こす条件が生まれてきた。それは、「政権交代」の可能性が高まってきたこと、そして、NPOの活動が進化し、制度の改編に向かわざるを得ないことがでてきたことなどをリーダーが感じ始めて来ており、これに民主党の呼びかけが火をつけたのであろう。
2.NPOのロビー活動の制約
 これまでNPO界でのロビー活動は「NPO/NGO税制・制度改革全国連絡会」を通じておこなわれてきた。この連絡会はNPO法に関する制度要求ということに限っており、現行では「認定NPO法人」の条件緩和、法律名称を「市民活動支援法」へ変更せよ等の要求をしている。ところが、多くのNPO法人はNPO法は1つのツールであって、実際には自らが活動する世界での制度とぶち当たっている。介護系NPOでは介護保険法であり、障害者系は自立支援法、NGO系は外務省の対外政策などである。実際の活動を活発にしようとすれば、こうした法体系とぶつからざるを得ない。NPO法とは直接に関係ない世界である。したがって、これまでのNPO界の状態から、殻が向けてきているのである。この時期にぶつかっているのである。
3.民主党の変化
 民主党は政権を目前にして、自らの政権基盤を強くすることを考えている。この際に「意識的な市民」をどのように味方につけるのかは大きな課題である。このもっとも近道はNPOとの連携である。
 これまで民主党は言葉ではNPO支援を言っていたが、積極的には動こうとしなかった。なぜなら、NPOが求める税制の優遇措置などは政権党でないために影響力の行使のしようがなかったのである。その他の法律についてNPOからの陳情を受けても対応力に欠けていた。したがって疎遠にならざるを得なかったのである。こうした事態に変化が起こってきている。これが、14日の夕刻の集会に現れたわけである。
 この変化の兆しがどのように展開するかに注目しよう。
  
 


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