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2007年07月13日

コムスン問題の意見交換 市民協会員からのメール

 コムスン問題について、私は7月6日の毎日新聞と市民協Fax通信7月5日号にほぼ同意見を発表した。これについて市民協会員からメールで意見を頂いた。それへの私の返事を合わせて掲載します。(田中)というのが私の返事で、何もないのが市民協会員の感想・意見です。

田中様
市民協FAX通信拝読しました。まったく同感です。
ただ、こういう事態が生じることは措置制度から保険制度へ移行したときから想定されたことであり、時の厚労省や制度政策審議会の方々の思惑や想念として、介護という事業に参入しようする法人は、性善説というか社会奉仕の理念を有する経営者であろうという、読みの甘さがあったのではないでしょうか。
 又は、多少の危険性を予測しながらも切迫した措置制度による財政破綻を考えたとき、エイッ!と動き出せば、後は指導監査や自治体の指導などで何とかなるとでも考えたのでしょうか。

(田中)スタート時点は、公務員労働や社協の労働の仕方ではダメであり、「保険あってサービスなし」を恐れた厚生省がどこでもいいから呼び込みたかったのです。

 そういえば、介護事業者へ課せられた情報公開制度も、本来行政再度が費用を出し、実施しなければならない制度も、自団体評価を天下り的調査機関による、自ら高額な調査費を支払って、高齢者が見もしないインターネット上に公開するという制度などもそういう流れから派生した産物なのでしょう。

(田中)そうですね。効果や結果を、役人はあまり考えません。つくった制度どうりに動いているかどうかだけが問題なのです。

 当会の所在地にもコムスン運営のグループホームが、平成18年4月から開所し運営しておりますが(その設立申請に到る経緯もきわめてグレー)、先日の市議会において、利用者や従業員の問題が質問され、市保健福祉部長がそれに答え、当市には引き受ける施設などが有るので問題ないという・・・?
果たして、それで解決になるのか?
利用者もそのご家族もそれを望んだのだろうか。
引き受ける事業所の思惑と、従業員の雇用確保のみが解決されれば良いというのは、この制度の有する欠点を露見したのではないのか。

(田中)これでは、何の問題解決にもなりませんね。

 田中さんが述べているように、この介護保険制度に参入する企業は、企業論理より社会倫理を優先しなければなりません。
 当市内にも、此処2年以内に続々と新規参入の介護事業所が出来ました。不動産屋あり、鉄鋼場経営からの転進あり、理髪店経営が行き詰まっての参入あり、銀行からの不良債権回収目的の施設ありと、なかなか賑やかです。
 それらの全てを社会悪と括るのは早とちりでしょうが、主たる目的が介護保険制度の趣旨である、利用者の自立などという崇高なものではないでしょう。
 よって、『準市場』の観点で本制度の改善を訴えることには大賛成ですが、保険給付費などを増額すればするほど、ハゲ鷹のような企業が参入してくることは火を見るより明らかです。
 介護保険制度は行政サービスの肩代わりを行っているのだから、参入に当たっては何がしらのフィルターを掛け、社会貢献の理念を有し、且つ、非営利事業であることを受け入れられる企業のみに委ねなければならないと考えます。

(田中)そうですね。参入条件を再検討することが必要だと思います。

 但し、実質非営利企業といっても、従業者の質の向上を図る上でも、待遇改善や企業体質の強化のためには、現行制度の頭打ち保険給付額では早晩、立ち行かなくなることは必至ですから、保険額改正を求めなければ増加する一方の要介護者へのサービスに支障が出てきます。一方、非営利事業者といえども、設立時の理念はどこへやら、お金に目がくらんで・・・という団体があることも事実でしょうから・・・悩ましい問題です。
 日本には、高齢者や障害者に対する純粋な非営利団体は育たないのだろうかと、ふと不安になりこれを書きました。

(田中)倫理観をもって介護保険事業に参入してきている事業体は労使ともども安心して事業継続をしていける制度設計にしないと早晩に制度自身が崩壊します。
 市民協としては、現在すすめている調査のあとに、制度改革の提言ができるようにしていきます。

 いろいろありますが、投げ出しても仕方ないので何とかよくなるように頑張りましょう。

田中尚輝


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