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2007年10月24日

遅れたボランティア論と行政の臆病さ

 稲城市の提起によって厚生労働省は、5月7日に介護支援ボランティア活動への「地域支援事業交付金の活用について」という通達を出し、介護保険関連のボランティア活動に対して「地域支援事業交付金」を活用してよい旨の通達を出した。早速、これに呼応して稲城市は、1回1時間について1ポイント、1日に何時間をボランティア活動をしても上限2ポイント、それを金額換算し、年間5000円を上限とする、というものです。
 これに対して、筒井のり子氏(日本ボランティアコーディネーター協会代表)は、「ボランティアという言葉を使うな」として、つぎのように批判しています(以下『ウォロ(Volo)』大阪ボランティア協会:発行)。「まず理解できないのは、このような考え方のものをなぜ『ボランティア活動』と呼ぶのか」といい、つぎの5点の批判をしています。
?現金の見返りがあるものをボランティアとは呼ばない。
?ボランティアを受け入れる介護施設の職員の負担増大(ボランティア対応のため)になる。
?逆に、施設を利用している人のサービス低下になる。
?介護労働の低報酬化につながる。
?この事務を社会福祉協議会が受けたら、「これまで進めてきたボランティア支援との間でかなりのトラブルが発生が予想される。」
まあ、いくつもの理由が挙げられると関心します。しかし、これらの結論と説明論拠は現代のボランティア論とはかけ離れたものであり、久しぶりに「明治時代生まれ」の人に会ったような感じをするのは私だけではないでしょう。
 まず、現金の謝礼金を受け取っても、それは「ボランティア」なのです。相手の感謝の気持ちの表現(ですから、労働賃金にあたらない最低賃金以下が目安になります)ならば、です。このことは1993年の厚生省の通達を読んでいただければわかることです。
 介護施設の職員の負担の増大になる場合がありますが、それは、最初の受け入れのときだけであって、その後は負担が軽減されます。なぜなら、介護保険で決められた人員だけであれば、行き届かないサービスをボランティアによって担ってもらえるために、職員は精神的に気分が楽になるはずです。(ボランティアは介護職員が義務としておこなわなければならない仕事はしない。したがって、話し相手やゲームの相手、外出援助、職員のサービスの補助などが中心になると思われます。こうしたことの多くは介護職員がやりたくても現行の人員基準ではやれないのです。)
 つぎに、要介護者のサービスが低下するというのは、考えられません。私の頭がおかしいのでしょうか。
 また、介護労働の低収入化とは、何の関係もありません。有償ボランティアがいるから介護報酬が低いのではないのです。これには難しい議論が必要ですので、ここでは結論だけ述べておきます。
 そして、社協が受けたら、これまでのボランティアとは異なるので混乱が起きる、にいたっては「混乱をわざわざ起こすぞ」と言っているように見えます。もし、そんなことで嫌がる社協があるのなら、その地域にあるNPOにお任せください。このような作業なら喜んでやります(無償では受けませんが)。
 そして、逆に、行政側に言いたい。なぜ年間の上限が5000円なのですか?1時間当たり100円から200円程度の謝礼をだして、それも上限が5000円というのではあきれ返ります。こうした理由を介護保険料(年間)の1割を目安にしたということですが、なぜ1割なのでしょうか。将来において介護保険サービスの利用にしか活用できない前提をおいて、上限を取っ払うことでしょう。
そうすれば、ボランティア参加者は要介護者にならない自制をし、また、介護保険サービスがよくなります。介護保険制度も最終的には税でやる時代がくると私は想定していますが、介護ボランティアに参加した人ほど要介護者にならないようにする努力をするはずですから、このシステムは、行政、介護保険事業者、要介護者、ボランティアの4者にとっての利益になるのです。
古臭いボランティア論は、もうごめんです。そして、行政の弱腰にも勘弁してほしいと私は思うのです。さて、皆さんの自治体ではどうされますか。


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