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2008年04月07日

前回書評は高松志津夫さん、今回は『福祉NPOの社会学』(安立清史)

 前回(3月27日)の『「悪党的」思考のすすめ』の書評は「ウイラブ北茨城」の高松志津夫さんからのものでした、パソコンの調子が悪く名前を掲載できませんでした。お詫びします。
 今回の書評は、『福祉NPOの社会学』(安立清史、東京大学出版会)です。安立さんとは、ずいぶん昔からの知り合いで、今回の市民協などがおこなった介護保険制度の調査についても中心になって実行してもらいました。以下は、この本の推薦の言葉です。

NPOリーダー必読書:NPO存在の意味を根本から問う!
    NPO法人市民福祉団体全国協議会専務理事
                田中尚輝
 本書は、介護系NPOにとどまらず、すべてのNPOのリーダーに必ず読んでほしい好著である。
 著者は長年の間、社会学の観点からボランティア活動、NPOを介護や地域福祉の観点から調査・分析し、研究を進めてきた。ことに、アメリカのNPOとの対比で分析されており、新鮮な刺激を受ける。
まず、「日本社会にとっては異質であるはずのNPOが、日本的な組織へと変質・変容・転換」しているのではないか、という問題意識が根底に流れている。これはアメリカ型NPOが日本において定着するためには、旧来の常識や仕組みとの間において、摩擦や衝突をさけて通れないはずである。ところが、音なしの状況でNPOが日本社会に定着しつつあるのは、本来のNPOが「日本化」し、日本社会を変える武器になっていないからではないか、という指摘である。
 このことが、具体論としては、介護保険制度の導入前夜の社会福祉制度を変えることができるという「興奮」がいつのまにかしぼみ、NPOを含む介護事業者が古い福祉システムの中に包含されつつあるのではないか、という指摘につながる。
 著者は多方面の調査・研究をふまえて、社会学の観点からNPOがエネルギーを持つために、NPO関係者の挑戦(たとえば、「有償ボランティア」)が、日本的風土に巻き込まれ、「有償・無償」についての形而上学的な論議に巻き込まれすぎているのではないか、そうではなくNPO本来の「社会を変える」観点のもう一度見直しを迫ってきている。
 NPO法人の数が増えるものの全体としては「踊り場」にあり、ここからNPOの本来的な意味を踏まえて脱出するためには、NPOリーダーにとっての必読の書である。


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