＜解答＞
　相続税にかかっている自社株式の納税猶予制度については、被相続人そして相続人に関する要件のほかにも、納税猶予的擁護の５年間につきまして、事業継続要件を満たしている必要が存在しています。したがって、この制度を適用する場合においては、現在の会社の状況をよく観察することで、今後の会社運営に不安な材料が存在していれば、相続をする以前に、対処しなければならないでしょうが、さらに後継者については、相続後に安定した会社運営を右傾族するという覚悟も必要になるでしょう。

認定対象会社の要件
○ 中小企業基本法の中小企業者であること。（特例有限会社、持株会社も対象。）
○ 非上場会社であること。
○ 資産管理会社に該当しないこと。

※ 「資産管理会社」とは、有価証券、不動産、現金等の合計額が総資産の７０パーセント以上を占める会社、および、これらの運用収入の合計額が総収入額の７５パーセント以上を占める会社になります。ただし、事業実態のある会社は除かれることになります。

後継者が、自社株式を相続によって取得した場合につきましては、その後継者の納税が
８０パーセント猶予されることになります（相続前から後継者がすでに保有されていた議決権株式等を含め、発行済議決権株式総数の３分の２に達するまでの部分）。【平成２０年１０月１日以降の相続から適用】

被相続人に要件
○ 会社の代表者であったこと。
○ 被相続人と同族関係者で発行済議決権株式総数の５０パーセント超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主であった場合。
相続人の要件
○ 会社の代表者であること。
○ 被相続人の親族（※）であること。
○ 相続人と同族関係者で発行済議決権株式総数の５０パーセント超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主となる場合（１つの会社で適用される者は１人）。

※ 「親族」とは、（１）６親等以内の血族（甥、姪等）、（２）配偶者、（３）３親等以内の姻族（娘婿等）をいいます。

事業継続要件
５年間の事業継続。具体的には、
・ 代表者であること。
・ 雇用の８割以上を維持。
厚生年金保険及び健康保険加入者をベース（「パート」等の非正規社員は除かれます。）

・ 相続した対象株式の継続保有。
組織再編を行った場合であっても、実質的な事業継続が行われている場合につきましては、認定を継続されることになる。